英語、数学の陰に隠れがちな高校重要教科、古文。しかし「古文が好き!」という生徒をあまり、いや殆ど見たことがないです。
ともすれば、今のご時世では小さなものを見落としそうになります。礼儀、節度、情けや思いやり、人と人のふれあい、心のありようなど。実はそれが大きくて大事なものなのですが。
古文はそういった、日常に取り紛れて見落としてしまう人の心の動きに気づかせてくれる教科だと、個人的に思っています。
重要古語をいくつか見てみます。
【古語】 【現代語】
①かなし・・・・・愛しい
②かげ ・・・・・光
③あやし・・・・・不思議だ、身分が低い
④凄し ・・・・・ぞっとする
⑤ありがたし・・・めったにない
【解説】
①愛しさは悲しみに似てせつない
②光あるところ陰がある
③「あや〜ぁ!」とびっくりするくらい理解や常識を超えているもの
④氷のように冷たい妻
⑤存在することが難しい
〈荻野文子『マドンナ古文単語』より改変〉
愛しさと悲しさが似ている、氷のような冷たい妻は確かに‥‥『凄い』!
こういった古語を「つまらない」「それが何?」としか感じないことが、何よりの人間感覚の鈍化を示していると思います。
古文は人の感覚の精度、鮮度といってもいいかもしれませんが、それを上げる学問でもあります。