むごい教育

戦国時代、駿河国を治めていた今川義元は、竹千代(徳川家康の幼名)を人質に取りました。

義元は家来に

「竹千代に『むごい教育』をせよ。」 と命じました。

家来たちは『むごい教育』=『スパルタ教育』と解釈して、早朝から竹千代を武芸と勉学に励ませました。

しばらく後、義元が竹千代の養育係を呼んで『教育』の進捗状況を尋ねたところ‥‥

養育係は「起床から就寝まで駆け足で行動させ、 三食は粗食、休憩も最小限、水練・剣術・槍術・馬術・学問に励ませています。」と報告しました。

義元は、「違う!」と激怒。

『むごい教育』とは

・朝は好きなだけ長寝をさせる

・贅沢な食事を腹一杯与える

・武術や学問は無理強いしない

・望むものは何でも与える

そしてダメ人間が出来上がる。

というもの。

 

幼い竹千代の才能を見抜いた今川義元は、真の『むごい教育』により、戦国時代を生き残れない男に仕立て上げようと狙ったのです。

誤った『むごい教育』の結果、

馬芸や武術に秀で、論語を好み、幾何学や数学、薬学など、幅広い知識を持ち合わせた天下人、徳川家康が完成しました。